[AM53] 軽度認知障害で正しいのはどれか。
- 1.一過性の障害である。
- 2.実行機能障害がある。
- 3.物忘れを自覚している。
- 4.日常生活動作〈ADL〉が障害される。
こちらの問題は、2・3の複数選択肢が正解となりました。
おそらく出題者としては3を正解にしたかったのかなぁと思います。
2の実行機能障害は「軽度」な認知障害ではなく、本格的な「認知症」の症状であると。
しかし、実行機能障害というのは「軽度」の認知障害でもみられるよね、という話になって複数解答になったんでしょう。
軽度認知障害とは
記憶障害の自覚あり
軽度認知障害はMCIと略され、最近はCMなどでも聞かれる言葉です。
MCIは名前の通り「軽度」な認知障害なので、「最近物忘れが多いなあ」とか本人が認知機能の低下を自覚して外来などにやってきて診断されるものです。
日常生活にはほぼ問題なし
MCIは「軽度」というくらいですから、なんかおかしいな~というのは感じていても、生活していくうえで問題となるほどではないのが特徴です。
5年で50%が認知症へ
MCIが最近やたらと聞かれるようになってきてるのは、MCIの方が5年間くらい経つとおよそ半数くらいの方が認知症へと進行してしまうことがわかっているからです。
実行機能(遂行機能)障害とは
大脳の前の方にある前頭連合野との機能が低下することでおこると言われています。
連合野は判断力や計画力を発揮するうえでだいじな場所。
ここの機能が低下すると、「料理がうまく順序立ててつくれなくなったり」「テレビの録画がうまくできなくなったり」します。先の見通しを立てて計画的に行動できてないので、メインのおかずをつくりながらごはんを炊いて、さらに手が空いた時にサブのおかずに取り掛かって、料理を同じくらいの時刻に一斉に完成させる、みたいな複雑な行動ができにくくなるわけですね。
そして、この実行機能障害ですが、軽い段階であればMCIでもみられますよね~ってことで、不適切問題になってしまったと思われます。
コメント