気管支喘息になぜ運動がよいのか
気管支喘息の方の日常生活指導に、運動をすすめます。
なぜ運動した方がよいかというのを確認していきます。
気管支喘息とは
そもそも気管支喘息とはなんなのか、簡単に見ておきます。
多くの場合、ダニやハウスダスト等のアレルギーがあり、アレルギー源が身体に入ってきたときに、免疫の反応がおこり、気管支平滑筋が異常に収縮してしまうことで喘息の発作がおこります。
喘息発作では、気管支が収縮することで、息がなかなか吐きだせないようになります。こうしてハーハーと息苦しそうな呼吸や喘鳴がみられるのが気管支喘息です。
喘息では気管支が細くなることで苦しくなるわけですが、では、そもそも気管支の太さはどういう風に調節されてるんでしょうか。
気管支の太さを調節するのは気管支平滑筋
気管支の周りには輪っか状に平滑筋がついており、その筋がキュッと収縮すると気管支は狭くなります。喘息でみられます。
反対に、筋がフワッとゆるむと気管支は拡がります。
気管支の太さは周りの平滑筋という筋肉によって、太くなったり細くなったり調節されてるんですね。
気管支平滑筋をあやつるのが自律神経
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
交感神経はfight or flight(闘争 逃走)反応を起こす。恐ろしくヤバい状態になって(熊と出会ったとか)全力で闘うか逃げるか、みたいなときにはたらきます。猛烈に筋力や心肺機能を高めるはたらきがあります。必死になって動き回る状態なので、大きく息ができるよう気管支は太くなります。
副交感神経は真逆でリラックス系です。静かに落ち着いてる状態なので、そんなにはあはあと息をすることもないので、気管支は細くなります。
まとめると、
交感神経が緊張 → 気管支は拡張(平滑筋が緩む)
副交感神経が緊張 → 気管支は収縮(平滑筋が縮む)
となります。それで気管支喘息に運動がどういいのか、ですが、
運動は交感神経にスイッチを入れ、心肺機能を高める
運動は交感神経にスイッチを入れます。交感神経は気管支を拡張させ、しっかり大きな息ができるようにしてくれます。
というわけで、適度な運動は心肺機能を高めます。喘息の発作がなく落ち着いているときは運動しておくのがおすすめです。(もちろん冬の寒~いビュービューと木枯らしが吹いてるときなんかは別です。)
水泳は自律神経機能を高める
運動がおすすめなんですが、そのなかでも特に水泳がいいよっ、といわれてます。その理由が気になったので調べてみました。
水泳は、まあまあ冷たい水に身体をつけるスポーツですね。温泉じゃないのでそりゃそうです。
実は、この冷たい水に入るというのがポイントです。
冷たい水に入ると、身体はびっくりしてなんか大変なことでもおこってるのかと錯覚します。そうしてピンチのときに働く交感神経に喝を入れます。
それが落ち着いてくると、今度はまた副交感神経に・・・
という具合に、水泳は交感神経と副交感神経、つまり自律神経を鍛えるような効果があるんですね。
こういった点から喘息の方に特におすすめされるのが水泳です。
そもそも、喘息がお子さんに多いのは、まだ身体が小さく自律神経が未発達なのが影響している、と言われているくらいなので、運動で鍛えるのはおすすめですね。
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