ビスホスホネート製剤の飲み方
骨粗鬆症治療薬であるビスホスホネート製剤ですが、服用方法に注意点がわりとたくさんあり、備忘録として書いておきたいと思います。
骨粗鬆症とは
骨が脆くなって骨折しやすい状態です。高齢化社会になって、いま現在の日本では1000万人以上の患者さんがいると言われています。
治療薬には、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、カルシトニン、ビスホスホネート製剤など、様々なものがありますが、最も強力な薬といわれているのがビスホスホネート製剤です。
いつ飲むのか?
起床後に服用します。
(起床して、かならずしもすぐ飲まなくても大丈夫ですが・・・ただし、朝食より30分前には飲みます。)
ビスホスホネートは口から飲んだ場合に、消化管(胃や腸)から吸収されていくのですが、この吸収率が極めて低い薬です。なので、食後、胃や腸に食べ物が流れこんできている、なんて時に飲んでしまうと食べ物に邪魔される感じで薬が吸収されにくくなります。
ですので、胃が空っぽのときに服用するわけです。空っぽな状態をしばらく維持しないといけませんので、服用後すぐに食事をとるのはダメです。吸収が悪くなるので、服用後は最低30分は空けてから食事をとるようにします。
なにで飲むか?
水道水で飲むのがよい。
カルシウムやマグネシウムが含まれているもので飲むと、薬との間でキレート形成というのを起こしてしまい吸収が悪くなります。具体的には牛乳やミネラルウォーター(海外製品にありがちな硬度の高いやつ)を避けます。
どれくらいの水で飲むか?
コップ1杯(180mL)の水で飲みます。
ビスホスホネート製剤は消化管粘膜を荒らすという副作用があります。薬を少量の水で飲むと、食道に薬の成分がこびりついて残ってしまい、食道を荒らしてしまいます。そして胸焼けが出てしまうことがあります。
コップ1杯くらいの水でしっかりと胃に薬を流し込むようにします。
服用後の注意点
服用時は多めの水でしっかりと胃に流し込むのが大切と書きましたが、同様に薬の成分が食道を荒らさないようにするには、食後の姿勢も大事です。
食後に、すぐ横になってしまうと胃の中身が食道に流れてきます。
服用後は30分程度は横にならずに体を起こした状態をキープします。
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